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山の声、茶の記憶|Echoes from the Mountains
山は語らない。けれど、茶葉が語る。 霧の濃い朝、湿った土の匂い、 谷あいを渡る風、陽に照らされる茶畑の葉先。 茶は、土地の記憶をまとう。 阿里山のやわらかさ、 合歡山の涼しさ、 凍頂のあたたかい香ばしさ。 一葉の中に、風景がある。 それを湯に溶かし、口に含むということ。 茶を飲むことは、遠いどこかと、静かに出逢うこと。
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朝の光とともに淹れる、一杯の煎茶。 午後の余白を静かに照らす、焙じ茶の香ばしさ。 茶は、私たちの暮らしの一部になる。 湯を注ぐ音、器に触れる指先、立ちのぼる湯気。 それらが、日々のなかに「間」をつくり、 心の深呼吸となってゆく。 四季折々の空気に寄り添うように、 茶もまた、その日その時の私たちに寄り添うのだ。
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湯気が立ちのぼる瞬間、世界はすこしだけ静かになる。 そこに音はない。けれど、なにかが聞こえてくる。 茶葉がゆっくりと開き、空気がやわらかく香りを運ぶ。 私たちが届けたいのは、そんな「余白」のある時間。 仕事と仕事のあいだ、呼吸と呼吸のあいだ、 ふと立ち止まるような、一杯の静けさを。
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